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カシャボ

紀州(和歌山県・三重県)では、河童のことをいろいろに呼ぶ。

「ドンガス」とか「ガオロ」だとかいって、
これらが冬になって山奥に入ると、こんどは「カシャボ」というものになるという。

呼び方が変わるということは、おそらく些細ではあるけれども、どこかに相違点があるわけで、
一口に河童といったところで、本来は千差万別であるといわなければならない。

「カシャボ」は、頭は芥子坊主(頭頂毛を残したもの)、
青い衣を着ていて、
6、7歳ぐらいのかわいい子供の形に見えるという。

和歌山県熊野のある家では、
谷へ入ってくる「カシャボ」は、1人ずつこの家の外で石を打ちつけて、
自分たちが来たことを知らせるという。

反面、牛馬に害を加えるともいわれ、
馬を山へつれて行ってつないでおくと隠してしまい、
たとえ見つけることができても、馬はひどく苦しがって死んでしまう恐れもあるという。

また、家の戸口に灰をまいておくと、
「カシャボ」は水鳥のような足跡を残すとか、
頭をふるとガチャガチャと鳴るとかいわれている。

「カシャボ」という名前についても、いくつか説があって、
「火車」という妖怪からきているのではないかという人もあれば、
くずぐるという方言の「カシャグ」に由来するという人もあって、
そのあたりははっきりしていない。


<参考文献>
「図説 日本妖怪大全/水木しげる著」
(発行:講談社 税込\1,365)

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