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影女
『影女』かげおんな
おとこやもめのあのひとの
ひとりの家にひっそりと
棲みついた私は影女
風呂をたてるわけでなし
夕餉の支度をするわけでなし
そっと男を覗いては
影を残して消えるだけ
今夜は一人で晩酌かい
そんな暮らしもよいだろう
©Komugi NOHARA 2006
おとこやもめのあのひとの
ひとりの家にひっそりと
棲みついた私は影女
風呂をたてるわけでなし
夕餉の支度をするわけでなし
そっと男を覗いては
影を残して消えるだけ
今夜は一人で晩酌かい
そんな暮らしもよいだろう
©Komugi NOHARA 2006
狐の嫁入り
『狐の嫁入り』きつねのよめいり
なにがなんだかわからぬうちに
白い衣装を着せられて
くるまに乗せられ運ばれる
なんにも答えていないのに
事は勝手に進むのか
空は明るく
晴れていて
ゆらゆら
影が揺れている
おそろしや
雨は降っているのです
©Komugi NOHARA 2006
なにがなんだかわからぬうちに
白い衣装を着せられて
くるまに乗せられ運ばれる
なんにも答えていないのに
事は勝手に進むのか
空は明るく
晴れていて
ゆらゆら
影が揺れている
おそろしや
雨は降っているのです
©Komugi NOHARA 2006
若狭の人魚
『若狭の人魚』わかさのにんぎょ
私に時間は流れていない
流れるあなたを羨んで
一緒に暮らしてみたけれど
流れるあなたに残されて
流れぬ時間を思い知る
©Komugi NOHARA 2006
私に時間は流れていない
流れるあなたを羨んで
一緒に暮らしてみたけれど
流れるあなたに残されて
流れぬ時間を思い知る
©Komugi NOHARA 2006
山中の幽霊屋敷
『山中の幽霊屋敷』さんちゅうのゆうれいやしき
あなのあいたドーナツを
めんたまみたいに
ふたぁつならべ
きょうも
あいつはこないかな
えんがわでひとり
まちぼうけ
©Komugi NOHARA 2006
あなのあいたドーナツを
めんたまみたいに
ふたぁつならべ
きょうも
あいつはこないかな
えんがわでひとり
まちぼうけ
©Komugi NOHARA 2006
文庫妖妃
『文庫妖妃』ふぐるまようひ
送り続けた手紙のゆくえ
気になります
きっとそこには
残ってしまっているのです
私から離れていった言葉たち
綴った手紙
それは
もう
私ではないのだ
と
切り捨てて
忘れ去る
©Komugi NOHARA 2006
送り続けた手紙のゆくえ
気になります
きっとそこには
残ってしまっているのです
私から離れていった言葉たち
綴った手紙
それは
もう
私ではないのだ
と
切り捨てて
忘れ去る
©Komugi NOHARA 2006




